「エンタメ通訳の聞き方・話し方/小林禮子/PHP新書」を読んでみた。
エンタメ通訳者の聞き方・話し方
「エンタテイメント通訳」は著者の造語ですが、そもそも会議通訳やエンタテイメント通訳など、通訳に種類があるのを知りませんでした。
私の職業(司法書士)でいえば、司法書士と行政書士の区別があるのが一般的に知られていないのと同じ感覚かもしれません。
会議通訳は「線の英語で聞き、線の英語で答える」のに対し、エンタテイメント通訳は「面で英語を聞き、面と線の英語で答える」のだそうです。
「線」というのは、細いまっすぐな管に糸を通すようなイメージで、「面」というのは、周りすべてに興味を抱き、壁に開いた大きな穴に、手当たりしだいに手を入れた何本もの毛糸を通すようなイメージです。
通訳者の優劣を決定する要因として、会議通訳では語学力・専門知識の差が挙げられますが、エンタテイメント通訳では語学力はある程度ある前提で、さらに周りの空気を読める能力が重要なのだとか。
会議通訳者は、事前に膨大な量の資料を読み込み、専門用語を覚えなければなりませんから、とても大変そうに思えますが、エンタテイメント通訳者の場合には、対人間、コミュニケーション能力が問われますから、好き嫌いや相性など別の点で大変そう。
この本では、そんな大変なエンタテイメント通訳のエピソードや仕事に対する姿勢などが書かれているのですが…
ひとつ、興味深いことが書かれていました。
最近は珍しくなくなった「よろしかったでしょうか?」という謎の言い回し、これ、もともとは英文マニュアルの翻訳がきっかけだったらしい。
アメリカでサービス担当者が、Was everything alright ?と過去形で問題がなかったことを確かめてチップを要求したのが始まりだとか。
・・・なるほど。
あとひとつ、私の職業がら、気になったのが、「エンタテイメント」というコトバ。
エンタテイメントなのか、エンターテイメントなのか、エンターテインメントなのか…会社を設立するにあたり、事業目的を定款に規定して登記をするのですが、その際、とても悩みます。
結論からいえば、どれでも登記手続きには支障はないのですが…正確にはどう書くのか正しいのでしょうか。
私はどちらかといえば、エンタテイメント通訳型司法書士のため、深く追求することはありませんが。
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